タロットの歴史と活用法について解説

タロット

【タロットの誕生】

 タロットカードはどこでどのようにして誕生したのか。

最初に言ってしまおう。沢山の説が存在するものの、残念ながら「これだ!」と明確に証明された説はない。ただし、これを読んでいる読者、特に「これからタロットカードを勉強しよう!」と思っている方はよくよく想像を膨らませて欲しい。占い…特にタロット占いは想像力を翼のようにどこまでも広げてお客様と向き合わなければならない。そうだ、ここがスタート地点だ。

さて、『タロット占い師』というワードから、貴方はどんな占い師を想像しただろうか。どこかの絵本に描かれていたような、薄いヴェールで顔を隠し、独特な衣装を着て、神秘的なまなざしをしている女性ではないだろうか?テントの中のような場所で香を焚いて、静かにタロットカードをめくっていく…。そんな風景を想像したのではないだろうか。

実際に占いをして生計を立てていた女性たちがいる。『ジプシー(流浪の民)』の女性たちだ。タロット占いの誕生はエジプトで、その文化の運び手がジプシーであるという説があった。しかしながら時代がくだり、ジプシーの研究が進むにつれてその説は完全に退けられてしまった。そもそもジプシーの起源はインドで、15世紀頃にヨーロッパに辿り着いた民族であるというのが今日の定説である。ついては、ジプシー文化はエジプトとは全く関係がない。また、ジプシーの女性たちが旅の行き先で占いをして生活費を稼いでいたということは事実ではあるが、伝統的に行っていたのはタロット占いではなく、手相であったということも解明されている。

 その他にも、キリスト教から迫害された秘儀の司祭が起源とする説もあるが、そのいずれの説も想像の域を脱しない。

並んだ一枚一枚のカードから抽象的な絵柄が貴方を見つめている。貴方たちは一体どこからきたのだというのだ。この問いは想像力の翼を広げるきっかけになるのではないだろうか。その想像力はタロット占いのリーディングをする際のインスピレーションに繋がっていく。ぜひ、問い続けて欲しい。

【タロットの変遷】

 変遷、と聞いて「歴史は苦手…」とウンザリした方もいらっしゃるだろう。しかし、心配は不要である。タロットカードの歴史の始まりは意外と最近の話なのだ。

 タロットカードが存在していた記録として、一番古いものは1392年のフランス。メンタルを病んでいたシャルル王に献上されたタロットカードがある、という記録が残っている。そう、これはあくまでも“あった”という記録のみ。どんなものであったのかは記録がないので分からない。タロットカードは当初、王族や貴族の美術品の一つであったのだ。

 現存するタロットカードで最も古いものは、15世紀前半。イタリアで制作されたものになる。この時代のタロットカードは占いをする道具と言うよりも賭博やゲームの道具で、ゲームの一環として占いをしていた。本格的に占いとして民衆に広まったのは19世紀以降になる。

 19世紀後半、タロットカードをゲームではなく占いの道具として結びつけたのは、フランスにあった秘密結社『薔薇十字カバラ団』や、イギリスの『黄金の夜明け団』である。タロットカードをオカルティズムや秘教主義と結びつけ、西洋魔術の道具として庶民に広まっていったのである。また、それに加え、1970年代から80年代にかけて英米を中心にスピリチュアルブームが起こり、タロット占いの人気が高まっていった。

 話は変わるが、タロットカードのバージョンでも特に有名なのが『マルセイユ版』と『ウェイト版』の2つ。

 『マルセイユ版』が誕生したのは約1650年のフランス。その前にも『マルセイユ版』の元ネタになったタロットカードもあるが、まだまだ貴族の観賞用であった。しかし、16世紀のフランスで起こった印刷技術の発展により、『マルセイユ版』は徐々に庶民に広まっていくことになる。

 『マルセイユ版』の特徴としては、木版画であるため縁取りが太いこと。また色も赤・青・黄色といった原色を使用した大変シンプルな絵柄である。また、小アルカナがシンボルと数字のみしか描かれていないため、初心者には少々扱いが難しいかもしれない。

 一方、『ウェイト版』は『マルセイユ版』よりも随分時代がくだった1909年に誕生した。秘密結社『黄金の夜明け団』のメンバーであったウェイトという人物が、占星術やユダヤ教の神秘主義のシンボルを1枚1枚のカードに結び付けて考案したものである。

 『ウェイト版』の主な特徴は、3つ。1つ目は『マルセイユ版』でシンボルと数字のみの表示であった小アルカナも含め、全てのカードに絵柄が入ったこと。2つ目は『マルセイユ版』では番号のなかった『愚者』のカードに0の番号がふられ、大アルカナの内の1枚となったこと。3つ目は、『マルセイユ版』の8番と11番のカードを入れ替えたことである。これは、西洋占星術の星座を当てはめた際の影響である。

【日本におけるタロットの歴史】

英米でスピリチュアルブームが起きた1970年代から80年代、日本でもタロット占いの人気が高まり、解説書が数種類出版された。

その先駆けとして1961年、渋沢龍彦の著書『黒魔術の手帳』を出版。その中でタロットカードを紹介している。

 1974年ユリ・ゲラーと共に、一気にタロットカードが流行し、国民がその存在を知ることとなった。

 近年では『ジョジョの奇妙な冒険(第3部)』にて大アルカナをテーマとしたキャラクターが人気を博した。また、著名な画家である天野義孝の作画でタロットカードが作成されるなど、国民の身近な存在となった。

【タロットカードからはこんなことが読み取れます!】

一番ポピュラーな『ケルト十字』というスプレッド(展開方法)では、相談者の現状・過去・未来を読み取ることが可能である。その問題に関する相談者の潜在意識と顕在意識、相談者の可能性とそれを拒む要因となっているもの。そして最終的にどうすればいいのか、という部分まで相談者と対話の中で深めていくことが出来る。

 また、恋愛に関することで使用するスプレッドである『ラバースブリッジ法』では、相手の気持ちや、相手と今後ご縁があるのかないのか、自分の本来の気持ちや2人の過去と未来、そして対策を読み取ることが可能である。

 タロットカードは(例外を除いて)基本的に何でも占える道具だと思ってよいだろう。例外としては、現在かかっている病気についてや、犯罪に関すること、失せ物に関することについてなどはお断りをする占い師が多い。

 冒頭に述べたとおりタロット占いは、想像力を広げ、インスピレーションを高めていくことで相談者と心を通わせながら進めていくことが重要である。相談者だけではない、占い師も相談者から与えられた問題を一緒に考え、紐解いていくことで人生を学び、豊かにすることができるのだ。相談者と共に良い未来に進んでいけるよう、これからタロット占いを始めようとしている方は心がけていってもらいたい。

【この記事のライターさんをご紹介】

ROKUJO

Twitter:http://twitter.com/yurirokujo

昭和60年、栃木県生まれ。高校生の頃にタロット占いを独学で学び、学校の休み時間等で占いを行っていた。大学進学後も独学でタロットカードの由来等を研究する傍ら占いを続け、現在は都内某バーにて占いイベントを開催している。また、最近は本業であった公務員を退職し、ライター業と占いに専念している。

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